情熱ブログ JYOUNETSU BLOG

情熱ブログ

「部下のキャリアデザインは絶対に上司の思い通りにならない」という話

こんにちは。株式会社情熱の石井です。

 

部下育成が計画通りに進まない。部下が育ち、出来ることが増えれば、今よりさらに良い成果が出せるはずなのに。なんとかしなければ……
今回は、そんな悩みを持つ方々へ向けたコラムです。

 

同じく部下育成を担当するマネージャーとして、また、年間100名以上の社員育成担当者とお会いする中で見えてきた、部下育成についての仮説と、どのようにマネジメントしていくべきかについてお話しします。

 

 

 

 

 

 

●部下育成は、思い通りにいかないものである


私はそもそも“部下育成は思い通りに進まないものである”と考えています。というのも、年間100名以上もの管理職や人事担当者とお話ししてきましたが「想定通りに進められている」と言っている方を見たことが無いからです。

 

また、「まさかあの人がこんなに早く成長してくれるとは!」といった良い意味での裏切りであればいいのですが、正直そうした声は全体の2割程度です。残り8割の方は、悪い意味での想定外な状況にお悩みのようでした。

 

 

例えば、採用段階で人事から高い評価を得ていた新人が自部署に配属されてきたので、「まずは1年でお客様対応をマスターしてもらい、2年目はプレイヤーとして自立させよう。そして3年目は3~4名の後輩を育てる経験を積ませ、5年目にはチームを率いるポジションについてもらうのはどうだろう」というストーリーを描いていたのですが、結局その通りには行かず、2年目は他の部署へ異動してもらうことになってしまった……といった状況です。

 

 

このように、期待していた人が思ったより伸びなかったため異動することになった、辞めてしまったといったお話しは、育成担当者のプレイヤーとしての成果の有無や、業界、職種、企業規模にかかわらず聞こえてきました。


また、未だリーダーシップのとり方に関する明確な答えが出ないまま研究され続けているところを見るに、もはや世界中の管理職が、同様の悩み、つまり部下育成についての課題を抱えていると言っても過言ではないでしょう。

 

 

 

 

●部下育成のポイント


では、そんな状況に対して管理職がやるべきこととは何でしょうか。
進むべき道を明示すること、戦略を立てること、具体的なやり方を教えること……挙げればキリがありません。今回は具体的なポイントを2つご紹介します。

 


1つめは、上司や先輩が行動で見本を見せること、つまり“率先垂範”です。
上司の思考と行動が部下にかなりの影響を与えるということは言うまでもありません。したがって、約束を守る部下を育てるためには、自らが約束を守る上司でなくてはいけません。

 

基本的なことではありますが、これはとても重要なポイントです。

 

社内の打ち合わせだからといって、気を抜いて毎回数分遅刻しているといったことはありませんか?
何か理由があったとしても、上司が遅刻を繰り返していれば、それを見た部下は時間にルーズな人間になってしまいますよ。

 


2つめは、部下が負うべき責任と与える権限のレベルを一気に3段階引き上げるという手法です。
この“環境で人を育てる”というやり方は、若手育成の仕組み化において日本でトップクラスであると言われているサイバーエージェントが実際に取り入れています。

 

サイバーエージェントでは、たとえ入社3年目でも見込みがあればいきなり新事業部のトップ、あるいは新会社の社長に就任させる制度があります。責任と権限のレベルを一気に引き上げ、後に引けない状況を作ることで、成長を促すのです。

 


人は思い通りに育たない、というのは目をそむけたくなるような話ですが、事実として認めつつ、方針を定める必要があります。
是非皆様も率先垂範&責任を求める環境設定、という2つの軸から若手育成を見直してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

●まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回は、部下指導における課題について、解決策のごく一部をご紹介しました。

 

弊社では、適切な教育によって部下を成長させることが出来る管理職の方々が持つ力を体型化した『スケールマネジメントピラミッド』を基に、多種多様な管理職研修を企画しております。

 

 

今回ご紹介した率先垂範等は『Humanマネジメント』のごく一部にあたります。

 ※Humanマネジメントとは:チームが短期・中長期の両方で最大の成果を出せるように、部下をキャリア支援や評価によって育成・管理すること。

 

Humanマネジメントに必要な以下の能力や知識、

 ・部下のキャリアを描く。人事評価をマネジメントに活用する。

 ・法律知識を持ち、労務管理を適切におこなう。

 ・部下育成に必要な知識を基に教育をおこなう。

 ・部下と人間関係を構築し、チームのモチベーションを管理する。

また、他3つのマネジメント等についてご興味がある方は、是非以下のフォームよりお問い合わせください。

 

▼お問い合わせはこちら

https://www.jyounetsu.co.jp/contact

 

 

▼関連コラム

①Whyマネジメント

企業拡大を阻害する人材流出 ― 離職防止に有効な『Whyマネジメント』を解説

 

②Whatマネジメント

成果を上げるチームのつくり方 ― 管理職が身につけるべき『Whatマネジメント』を解説

 

③Howマネジメント

上司と部下からの板挟みにお悩みの方へ ― 新世代の育成に欠かせない『Howマネジメント』を解説