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上司と部下からの板挟みにお悩みの方へ ― 新世代の育成に欠かせない『Howマネジメント』を解説

情熱の渡邉です!

 

部下育成に課題を感じている管理職の方に質問です。
みなさんのチームに、こんな方はいらっしゃいませんか?

 

 ・課題解決に対する意欲や能力が無く、すぐに諦めてしまう。
 ・責任感や成長意欲が薄く、指示が無いと動かない。
 ・会社や上司に対する不満が多く、噂では転職も検討しているらしい……

 

このままではいけないと思いつつ、どのように指導したら成果を出せる人材に育つのかが分からない。
そんなお悩みに対し、人材教育のプロとして600社以上もの企業様に研修をご導入いただいてきた私たちがご提案する解決策は、“管理職の方が『Howマネジメント』を出来るようになること”です。

 

 

本コラムでは、部下指導にお悩みの管理職の方に向けて、成果を出せる人材に導くための『Howマネジメント』をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

●部下育成に行き詰まる原因


初めに、部下育成に行き詰まる原因について考える上で参考になる記事があったのでご紹介します。

 

【中間管理職がつらいと思う瞬間ランキング】238人アンケート調査|Biz Hits

 


30~50代を中心とした238人もの中間管理職の方へ『「中間管理職ってつらい」と思うとき』について調査したところ、1~3位は以下の結果になったそうです。

 

 1位 板挟みになるとき
 ・上司と部下、どちらの気持ちも理解出来るため板挟みになる。
 ・上司と部下の仕事への向き合い方が違うため調整が大変。
  
 2位 部下を指導するとき
 ・会社やチームの方針が部下に上手く伝わらず、従ってくれない。
 ・ハラスメントと言われないか気をつかう。

 

 3位 仕事が多岐にわたるとき
 ・マネジメントと実務の両立が大変。
 ・上司には若い世代を大切に育てようとする姿勢が無いため、
  中間管理職が教育・フォローなどを担わないといけない。

 


この結果を見るに、管理職の方が「部下指導は難しい」と感じるのは、会社や上司と部下の価値観の違いによって板挟みにされており、適切な伝え方をイチから模索しなければならないというのが大きいようです。

 

職業観は、社会人1年目の環境とそれまでの人生によって大きく変わります。よって、ご自身が受けた教育をそっくりそのままやればOK!というわけにはいきません。
時代背景を基に価値観や軸を把握し、その人に伝わる方法を考えていく必要があります。

 

 

 

 

●価値観の違いを知り、マネジメントスタイルを再考する


どれほど違うのかを確認するため、世代ごとの特徴をまとめました。

2021年現在において主要な労働力となっている方々は、およそ3つの世代に分けられます。

 

 

 

 

幼少期や社会に出たタイミングに起こった出来事の影響によって、価値観や何を重要と考えるかが大きく異なっていることが分かりました。

 

板挟みにお悩みの方には、就職氷河期世代が一番多いのではないでしょうか。
働きたいなら頑張らなければと、バブル世代からの厳しい新人教育や理不尽に耐える。がむしゃらに働いて成果を上げる。仕事とはそういうものだと思っていたのに、いつの間にか教わってもいない「ワーク・ライフ・バランス」「ハラスメント防止」「コンプライアンス順守」等を求められるようになっていた。

 

困惑するはずですね……

しかも、上司からはいまだにパワハラ&残業ありきの無茶ぶりをされているとなれば尚更です。

 


とはいえ、すでにミレニアル世代以降の社会人には精神論や努力を強いたり「黙ってついてこい」と背中を見せたりするやり方は通用しなくなっています。また、上司が部下の得意不得意を判断して仕事を振り分け、上司が描く理想像に近づけていくという育成方法も向きません。

 

今は、仕事のやり方や楽しさを教え、成長を促し、都度フォローを入れながら部下の潜在的な力を伸ばしていくマネジメントスタイルが求められています。これが実践出来れば、部下を成長させ、企業拡大に導くことも可能です。

 

次項にて、このマネジメントに必要なスキルを一部だけご紹介します。

 

 

 

 

●新世代の能力を伸ばしたいならHowを伝えること


適切な教育によって部下を成長させることが出来る管理職の方々は、大きく分けて4つの力を持っています。

 

 ①Whyマネジメント
 ②Whatマネジメント
 ③Howマネジメント
 ④Humanマネジメント

 

今回は3つ目のスキルである『Howマネジメント』をご紹介します。

 


Howマネジメントとは、文字通り「どのように」をキーワードに行うマネジメントです。成果を出すには「どのように考え、行動すると良いか」を部下に伝え、行動を促し、自らもそれを体現するのです。

 

そしてこの「どのように」の内容は、個人の経験則ではなく、明確な根拠に基づくものであることが重要です。

コロナ禍でオンライン商談が急速に受け入れられたように、何がベストな方法にあたるかは環境に伴って変化しますし、また各人の性格や思考の傾向、素質によっても異なるからです。

 


冒頭で挙げたこちらを例にとってご説明します。仮に、部下が以下のように考えていたとします。

 

 ・課題解決に対する意欲や能力が無く、すぐに諦めてしまう。
  →全てにおいてほどほどでいいと考えてきたため自分の限界を超えてまで頑張る方法が分からない。

 

意欲が無いのではなくやり方が分からない方へただ努力を強いるのは、かえって逆効果です。

そこで代わりに「もし出来るとしたら、何をする必要があると思う?」と問いかけます。

 

これは、認知的不協和に囚われることなく課題と向き合えるように思考の流れを変化させることをねらいとしています。

 ※認知的不協和とは:自分の認識と現実にギャップを感じたとき、不安や居心地の悪さを感じる。この矛盾を抱えた状態や不快感のことを認知的不協和という。人はこれを解消しようとして態度や行動を変化させたり、理由を考えて正当化したりする。(例)「頑張ったけど契約が取れなかった。景気が悪いから仕方ない」

 

 

「無理だ・出来ない」と思うと考えることすら止めてしまいます。すると改善行動も起きませんので、問題は放置され続けます。しかし、「出来るかも」→「どうすれば出来るだろう?」となれば思考は止まりません。そして、打開策が出るまで考え抜いたり、タスクを細分化して出来そうなところからやってみたりといった自分の限界を超える経験を通して、成長の喜びや仕事の楽しさを感じられるようになっていくのです。

 

 

このように、「どのように考え、行動すると良いか」を伝え、行動出来るようになるまで見届ける。これがHowマネジメントです。


ミレニアル世代の方々は合理的でないことや意味を見出せないこと、無闇にがむしゃらになることに抵抗を感じやすい傾向がある一方で、情報収集やコミュニケーション等のビジネスに欠かせない能力が高い人や、自己成長への意欲が高い傾向も持ち合わせており、企業拡大のキーパーソンになり得る存在です。

 

よって納得出来るように伝え方を工夫し、具体的なやり方を提示するHowマネジメントによって、適切に成長を促していくことが必要なのです。

 

 

 

●まとめ


いかがでしたでしょうか。
今回は、部下指導における課題について、原因と解決策のごく一部をご紹介しました。

 

今回ご紹介できなかった
 ・責任感や成長意欲が薄く、指示が無いと動かない。
 ・会社や上司に対する不満が多く、噂では転職も検討しているらしい……
という部下の方へのHowマネジメント方法や、残り3つのマネジメントスキルについてご興味がある方はぜひ一度ご相談ください!

 

 

▼関連コラム

①Whyマネジメント

企業拡大を阻害する人材流出 ― 離職防止に有効な『Whyマネジメント』を解説

 

②Whatマネジメント

成果を上げるチームのつくり方 ― 管理職が身につけるべき『Whatマネジメント』を解説