成果を上げるチームのつくり方 ― 管理職が身につけるべき『Whatマネジメント』を解説
情熱の岩淵です!
「部下の成長速度がなかなか上がらない。」
「チームみんなで頑張っているのに、成果に結びつかない。」
管理職の方が必ず一度は直面する課題ではないでしょうか?
これに対し、人材教育のプロとして600社以上もの企業様に研修をご導入いただいてきた私たちがご提案する解決策は、“管理職の方が『Whatマネジメント』を出来るようになること”です。
本コラムでは、部下やチームの成長速度に悩む管理職の方に向けて、成果を上げられるチームを作るための『Whatマネジメント』をご紹介します。
●部下がなかなか育たない理由
部下やチームの成長速度にお悩みをお持ちの方に、よく見られる特徴があります。以下がその2つです。
◇「このチームは何をする必要があるのか?」を部下に上手く伝えられていない。
◇部下の行動を促したり、適切に管理できていない。
部下が成果を上げられるようになるには、チームの目標や各人の役割、業務内容といった「何が、どれくらい必要か」を明確にし、それが適切かどうかを随時管理していかなければなりません。「そんなこと百も承知だよ!」と思われたかもしれませんが、実はその感覚こそが落とし穴となっている可能性があります。
そもそも、管理職であるご自身の役割や必要な能力とは何でしょう。会社から具体的に明示されましたか?また、必要な能力を身につけるための育成は充分に行われましたか?
これらを適切に行えている会社様は多くなく、管理職となった方が昇進後に自力で学び、模索していかなければならない状態であるのが現状のようです。
これから、上記2つにおける基本的なポイントを解説していきます。模索中の方は一つの参考に、出来ている方は振り返りの機会としてご覧いただけると幸いです。
●「このチームは何をする必要があるのか?」を部下に上手く伝えられていない
成果を上げられるチームを作るには、まず部下に「このチームは何をする必要があるのか?」を伝える必要があります。
このときのポイントは3つです。
①管理者自身が、経営戦略から逆算したチームのMV・戦略を理解する(無い場合は設定する)。
②チームのMV・戦略を基に、適切な形で目標を設定し、KGI・KPIまで落とし込む。
③部下が理解できるように、背景を踏まえて伝える。
前提を省いて目標だけ伝えてしまうと、部下は成果に必要な行動が分からず言われたことしか出来ない状態になってしまいます。したがって、「会社のMVを実現するためにチームが目指すべき方針は……」「そのための戦略と目標は……」と、順を追って説明しましょう。
新卒に何かを依頼するときは、自然とその仕事の背景や業務内容を丁寧に説明すると思います。なぜなら「新卒は何も知らないのが当たり前」という意識があるからです。
しかしある程度社歴の長いメンバー相手になると「自分と同じレベルで理解できている”はず”だ。」というバイアスがかかりがちです。そうして端的に業務を指示するだけで済ませてしまった結果、認識の齟齬によってトラブルが起き、余計な工数をとられてしまった経験は無いでしょうか。
業務レベルであればまだ修正できますが、目標に対する認識の齟齬は努力の方向性を変えてしまいます。よって、チーム全員が「このチームは何をする必要があるのか?」を正しく理解できるように背景から噛み砕いて伝えることは、成果を上げられるチームを作る上で欠かせないステップなのです。
●部下の行動を促す取り組みや、適切な管理が出来ていない
目標を伝えて任せるだけでは、成果を上げられるチームを作ることは出来ません。
目標達成には課題がつきものですから、進捗を確認し、「何がどのくらい必要か」を考え、改善して行く必要があります。
このときのポイントは3つです。
①チーム全体の進捗を把握し、G-PDCAサイクルを回す。
②部下に求める役割や業務内容を明示する。
③一人ひとりに合った関わり方を見極めて適度に介入する。会社・チーム・個人の視点から優先順位を判断し、業務配分や行動の内容・量・質を最適化する。
G-PDCAサイクルを回す上で修正がかかったり、目の前の業務に集中し続けたりするうちに、目指すべき方向性を見失ってしまうことがあります。定期的に皆で進捗を確認し、押さえるべきポイントの振り返りをしましょう。
この時、目標や戦略、具体的な行動を、部下から自分の言葉で話してもらうと良いでしょう。アウトプットの機会が多いと解像度が上がり、理解が深まります。また、認識の齟齬を早期に修正できるチャンスでもあります。
●まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、「部下の成長速度がなかなか上がらない。」「チームみんなで頑張っているのに、成果に結びつかない。」という課題に対する解決策をご紹介しました。
弊社ではこの会社のMVから逆算すると「このチームは何をする必要があるのか?」を正しく理解し、「何がどのくらい必要か」を部下に伝え、行動を促していくことを、『Whatマネジメント』と呼んでいます。
まとめると、Whatマネジメントに必要な能力は以下の5つです。
①経営戦略から逆算し、チームのMV・戦略を決める。
②適切な形で目標を設定し、KGI・KPIまで落とし込む。部下が理解できるように伝える。
③進捗を把握し、G-PDCAサイクルを回す。
④部下に求める役割や業務内容を明示する。
⑤適度に介入する。複数の視点から優先順位を判断し、業務配分や行動の内容・量・質を最適化する。
部下が能力を発揮し最短で成果を上げられるようになるためには、こうした土台作りが欠かせません。
チームを導くことと、プレイヤーとして成果を上げること。これらを両立させるのは容易ではないと思います。本コラムが、そんな管理職の方々にとって一つの指標となれば幸いです。
なお、本コラムでご紹介できなかった『Whatマネジメント』に関する以下の要素を始め、優秀な管理職になるために必要な知識やツールを盛り込んだ研修をご用意しております。
・戦略の立て方、戦略を浸透させる伝え方
・“適切な”目標とは何か、KGI・KPI設定のポイント
・G-PDCAサイクルの回し方、問題解決方法、リスクマネジメント方法
・優先順位の決め方、タイムマネジメント方法
・一人ひとりに合った関わり方を見極め適度に介入する方法
管理職の育成をお考えの方は、ぜひ一度弊社にご相談ください!