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管理職輩出にお悩みの教育担当者さま必見!新米マネージャーからリアルな悩みと気づきをお届けします

こんにちは!株式会社情熱の日下です。

 

またまた出番が回ってきました。私のコラムを待ち望むファンの方の声が聞こえてきていたので、やっとご期待に応えられて嬉しいです。

 

 

幻聴です。

 

 

……さて今回は、「会社の未来を任された、入社2年目新米マネージャーの葛藤」をテーマにお届けします。

 

私は現在、研修事業の新規営業チームで責任者を任せてもらっています。数名の小さなユニットなので、仕事の規模感は主任クラス程度かなと思います。

 

まだ入社2年目の青二才に売り上げの柱を担う仕事を任せてもらえることには本当に感謝していますが、なかなか大変な立場でもあります。これは他社さんでも同じお悩みを抱えている方がいるのでは?と思いまして、このテーマを選びました。

 


日ごろ意識しているマネジメントのポイントと、就任3ヶ月でぶつかった壁、辿り着いた解決策をご紹介しますので、貴社の主任~課長クラスの方々の教育にお役立ていただけると嬉しいです。

 

なお、新米マネージャーの私が現在任されている仕事は、「チームの方向性を決めること」「プレイヤーとして売上を作ること」「メンバーとチームの生産性を最大化すること」の3つです。
今回はそのうちの「メンバーとチームの生産性を最大化すること」について、特に仲間の動きを把握しながら自分の仕事を進めることの難しさに焦点を当てました。

 

 

 

 

 

 

 

 

●マネジメントの第一ステップは『Why』を伝えること


まずは、私がマネージャーに就任した時から意識しているマネジメントのポイントについてお話しします。

 

基礎としているのは、弊社の主要コンテンツの一つである「管理職に必要な4つの力を体系的に表した『スケールマネジメントピラミッド』」です。マネージャーになるにあたり、今まで以上に体現できるよう意識しはじめました。

 

中でも、一番初めに身につけるべき『Whyマネジメント』のスキルは、特に重要であると考えています。

 

 

 

『Whyマネジメント』スキルとは、目的を部下に伝える力のことを指します。

 

なぜこのスキルが重要なのかというと、ミレニアル世代やZ世代は「ごちゃごちゃ言わないでとりあえずやって!」という指示の出され方が苦手だからです。「自分はなぜこの仕事をやるのか?」を理解してからでないとハイパフォーマンスを発揮することができません。前者の教育を受けてこられた方からすると不思議かもしれませんね。

 

この“腹落ち度を重視する傾向”を強めることになった原因は、時代背景にあります。

 

私(26歳)の親世代は、高度経済成長〜バブル経済を経験しています。その頃には、時代を生き抜く正攻法が明確にありました。大量生産・大量消費が典型例です。新三種の神器のように、良いモノを沢山作ってたくさん販売していれば売上が伸びていき、個人の財布も潤うという明確な方程式がありました。

 

このように、動けばうごくほど成果に繋がる時代だったため、「ごちゃごちゃ言わないでとりあえずやって!」という指導でも問題なく成長を促すことができました。

 


一方、ミレニアル世代、Z世代は、技術の進歩によって生活における不便さを感じることは減ったものの、物心がつく前から不景気真っただ中。そのため、良いモノを作り提供するだけでは生き残れません。流行り廃りのサイクルもどんどん早くなっているため「これをやっていれば絶対うまくいくよ!」と言える公式が存在しません。いわゆるVUCAと呼ばれる時代です。

 

VUCAとは、「Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性」の頭文字を並べたものです。つまり、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態を指します。ちなみに、元は冷戦以後に戦略が不透明になり、国際情勢が複雑化した時代のことを示す軍事用語でした。2010年代に入ると、昨今の変化が激しく先行き不透明な社会情勢を指して、ビジネスにおいても急速に使われるようになりました。

 

そんなVUCAの時代に生まれ育ってきたため、ミレニアル世代、Z世代は「『なぜ?』がわからない中でチャレンジするのは、ギャンブルに等しい」と考え、腹落ち度を重要視するようになりました。

 


自身がまさにミレニアル~Z世代であることもあり、Whyを伝えることを常に意識しています。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、「Whyさえ丁寧に説明し理解してもらえたならば、チームはうまく回る」とも思っています。

 

 

 

 

●新米マネージャーはWhyより『What』のマネジメントにつまずきがち


大事なことなので改めて解説しましたが、“Whyの重要性”が頻繁に取り沙汰されるようになってからしばらく経ちましたので、「とりあえずやって!」というマネジメントスタイルを貫いている方はかなり少なくなっているのではないでしょうか?

 

にも関わらず、ここ最近、マネジメント層への研修のご相談が増えてきているんです。特に多いのが、「マネージャー自身はマネジメント出来ているつもりのようだけど、まるでできてない。このギャップをどうにかしてほしい」というものです。

 

このギャップはおそらく、Whyマネジメントを身につけただけで満足してしまっていることから生まれているのではないかと思います。先ほど「Whyさえ」と書きましたが、ごめんなさい。マネジメントには、実はまだまだ重要なキーワードがあるのです。その一つが、『Whatマネジメント』です。

 


『Whatマネジメント』スキルとは、成果・タスク・優先順位を部下に伝える力を指します。改まって書くほどのことでは無いと思われたかもしれませんが、新米マネージャーにとってはこれが意外と難しく、悩んだ時期がありました。

 

なぜなら、チームのメンバーには後輩だけでなく同期もいるからです。自分の仕事を進めながらチームの動きを把握することだけで手一杯なのに、年次とそれによる職務内容が違う社員を同時に見ておく必要があるというのが、さらに難易度を上げてきました。

 

後輩のWhatを把握するだけならそこまで難しくはありません。まだ業務がシンプルですし、自身がすでに歩んできた道ですので「どんな状況で、どんな壁にぶつかるのか」などが比較的想像しやすいからです。

 

一方、同期のWhatは属人的なものが多く、把握するのが難しいのです。各人で抱えている案件が沢山ありますし、自分と同程度のスピードで隣を走ってきた仲間なので、これからどんな壁にぶつかるのかが分かりません。

 


このような状況下では、「部下が抱えている業務量を把握しないまま、表面だけ捉え、裏側を思いやることを忘れてしまっていないか?」を考える必要があります。

 

そうでないと、皆のちょっとした動向が気にかかり、些細なすれ違いによってパフォーマンスへの不満をつのらせることになるからです。そして、その不満から「なんでこんなこともできないんだ!?」といったナンセンスなコミュニケーションをとってしまうようになると、いつの間にか部下からの信頼を失ってしまいます

 

 

最近増えていると聞く“マネジメント出来ているつもりになっているマネージャー”は、このような状況に陥っているのではないでしょうか。

 

 

 

 

●Whatマネジメントの壁を超えるには「○○になる」ことが重要


そうならないためにどうしたらいいか、当時マネージャー歴3ヶ月の日下は考えました。そして気づきました。

 

Whatのマネジメントにおいて最も重要なのは『仕事と感情を切り分けて、チームのために黒子になれるか否か』であるということに。

 

 

なお、ここでいう“感情”と“意思”は別物です。感情的になっていい場面はゼロですが、自分の意見を言わない方が良いということではありません。

 

常に「チームのために」という精神で、事実をもとに判断する冷静な視点と、会社やリーダーとしての「〜したい!」を伝えていく熱いハートを持ち合わせているべきだと思います。

 

 

 

 

●まとめ


今回は、「会社の未来を任された、入社2年目新米マネージャーの葛藤」について、弊社の研修プログラムである『スケールマネジメントピラミッド』を交えながらご説明しました。

 

これからも、Whyを伝えてチームの士気を上げつつ、Whatを常に把握し、チームや会社の生産性向上に貢献できる最高の黒子、もといマネージャーになれるように日々精進してまいります。


そして、そんな私が「新米マネージャーとしての気づき」や「新卒・若手にとってためになるようなTips」を発信しているツイッターアカウントがございます!是非フォローをお願いします!

 

クサカタロウ@情熱を科学する研修会社(@taroK_jyounetsu)

 

 

 

 

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