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コロナ禍入社の新卒教育にOff-JTが欠かせない3つの理由!

本コラムをご覧いただいている皆様!!こんにちは!
“人事×新卒研修コンサルタント×研修講師”という三足の草鞋を履いた社内随一の何でも屋、こと、株式会社情熱の日下と申します!!

 

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 クサカタロウ@情熱を科学する研修会社(@taroK_jyounetsu)

 


さて、いきなりですが、こんなお悩みを抱えていたりしませんか?

 

 ・うちは今、絶対に教育に力を入れなきゃいけない!
 ・現場主義の教育から抜け出せず、組織がうまく機能していない!
 ・本当は外部の力を借りたい!
  でも、教育にお金を使う文化が無く、予算が全然出ない……!

 

これから伸びていく段階にいる会社さんほど、上記のようなお悩みを抱えていらっしゃる印象です!

 

 

そこで今回は、年100人以上もの人事担当者とお話ししたり、年30回以上の研修登壇をしたりすることで得てきたナレッジを集約した『教育予算が出るコラム』をお届けします!

 

もちろん一朝一夕にとはいかないかもしれませんが、役員の方々を説得する際の材料としてお使いいただける内容になっておりますので、ぜひ、最後までご覧くださいませ!

 

 

 

 

 

 

●日本は教育予算が少ない国


日本は教育予算が少ない国として有名です。

 

【参考】教育への公的支出、日本は38か国中37位…OECD調査 2枚目の写真・画像|リセマム

上記によると、日本の“2017年の初等教育から高等教育の公的支出が国内総生産(GDP)に占める割合”は2.9%となっており、これは比較可能な38か国中37位にあたるそうです。

 

社会人教育への支出額がこれにどれほど比例するかは分かりませんが、子どもの教育にさえお金を使う文化が無いわけですから、おそらく似た調査結果が出るのではないでしょうか??

 


また、ここ最近は、コロナ禍の影響でさらに減ってしまっているようです。
研修・教育に掛かる予算は、人事系の予算の中で一番最初に削られがちなようで、私も担当クライアント様から「(コロナ禍の影響で)教育予算が削られてしまいました……」という悲しい報告をたくさんいただきました。

 

 

 

 

●ぶっちゃけアンケートから読み解くコロナ禍新卒の傾向


研修・教育予算が削られていく半面、Off-JTの重要性は増しています。

 

弊社では毎年、弊社の研修にご参加くださった新卒入社社員の皆さんにお願いして、匿名で本音を教えてもらう“ぶっちゃけアンケート”をおこなっています。そのアンケートから、コロナ禍入社の新卒は、以前にも増して失敗を恐れて殻にこもる傾向にあるということが分かりました。

 

 


そもそも、産まれた時からずっと、先行きが不安な状況に身を置いている世代なのです。

 

バブル崩壊から現代までの日本は、“失われた30年”と称されています。日本経済が全く成長していない30年、VUCAの時代の30年の間に産まれたのが、今の新卒世代です。

 

挑戦したい気持ちより「失敗したらどうしよう」という不安が先行してしまうのも無理はありません。

 

 

そんな時代を生きてきた人々に、これまで通りの研修(Off-JT)だけを施して現場に配属(OJT)すると、どのような結果に繋がるでしょうか。あえて最悪の未来を想像してみます。現場の先輩社員からは、以下のような批判の声が上がることでしょう。

 

 ・最近の新卒は自分の意見を積極的に述べるどころか、返事すらできない
 ・社会で働く以前に、大人としての最低ラインにも到達していない人をよこすなんて、人事はいったい何をしているんだ?
 ・現場で指導するのにも限界がある。親じゃないんだから……

 

あえて厳しめに表現したつもりですが、似たような意見をもらった経験をお持ちの方もいらっしゃることと思います。

 

今はもう、「研修って意味ある?現場教育の方が実践的でいいでしょ」などと思っていられる時代ではありません。最悪の未来を避けるためには、なんとしてでも研修・教育を充実させる必要があります。

 

 

 

●研修(Off-JT)が必要不可欠な3つの理由


ここで、イチ研修屋である私が考える『社員の成長に研修(Off-JT)が必要不可欠である理由』を3つ、ご紹介します。
研修・教育予算アップの交渉をする際の参考になれば幸いです。

 

 


①Off-JTは再現性が高く、『自社の新卒が成長するための法則』を見出しやすい

 

前提として、社員の成長にはOff-JTとOJTの両方が必要不可欠です。それぞれの長所に注目し、役割を分担した上で、両方実施しましょう。


Off-JTの最も注目すべきところは、その再現性の高さです。

 

入社後すぐに現場へ配属し、先輩に同行しながら成長する方法には、人や状況に合わせて細やかなフィードバックができるというメリットがありますが、その反面、教育のナレッジが蓄積されないというデメリットもあります。個人のマネジメントスキル頼みの教育は、上司の力量によって部下の成長に格差を生んでしまいます。

 

対してOff-JTは、伝える内容や時期を揃えることができるため、振り返りやすく、ブラッシュアップもしやすいのです。また、実施時期を統一すれば、前年度までの教育によって得た知見も活かしやすくなります。

 

おすすめは『入社直後と半年後にOff-JTを実施し、フォローアップ研修で半年間の振り返りと成功パターンのナレッジをシェアする』というサイクルを、毎年回すことです。成長のヒントを共有して同期同士の足並みを最低限揃えつつ『自社の新卒が成長するための法則』を明確にしていくことができます。このような再現性の高さは、Off-JTならではのものです。

 

 

 

②行動変容の起爆剤になる

 

いくらスキルを磨いても、それを活かすことの出来る思考が身についていなければ宝の持ち腐れです。行動原理から変える必要がある時は、OJTよりもOff-JTが向いています。

 


自ら気づき「変わらなければ」と強く思わなければ人は変われません。

 

他人や環境のせいにしてしまう部下の方に「自己責任で考えてみて」と伝えたが何も変わらなかった、という経験はないでしょうか。

 

 ・メタ認知が出来ていない人
 (自責で考えているつもりなのに他責だと言われる)
 ・変わりたい気持ちはあるが行動に移せていない人
 (気づくと他責で考えてしまっている)


このような人にOJTで言葉のみのフィードバックをしたところで、求める成果を得ることはできません。

 

まず“他責で考えてしまっている自分”に気づいてもらう必要があります。
ですが、仕事に追われていると、自分の現在地を振り返る余裕が無くなりがちです。思い通りにいかないことだらけの新卒1年目ともなれば尚更かと思います。

 

Off-JTであれば、いつもの業務から離れた環境で「今の自分、どんな感じかな?」をゆっくり振り返ることができるため、普段のフィードバックからでは生まれない気づきや危機感がうまれやすくなります。

 


なお、研修は、受講生が自ら気付き、変わることができるように設計されたものでなければなりません。

 

 

 

③採用と現場をつなぐ架け橋となる

 

入社後3年で辞めてしまう新卒社員の割合は約3割と言われています。
退職理由は人それぞれですが、入社後に以下のようなギャップを感じてしまったこと、またそれを解消できなかったことによって辞めたという方も多いようです。

 

 ・仕事がこんなに大変だと思わなかった
 ・入社前後で人が変わったのかと思うほど怖い先輩がいる
 ・この仕事量にこの給料では割に合わない

 

こうしたギャップはOff-JTによって解消することができます。

 


内定者に重要な仕事を任せたり、責任を負わせたりすることはまず無いでしょうが、それをわざわざ内定者本人に伝える会社さんはそう多くないかと思います。そうして「内定者期間中はお客様扱いである」ということを認識することがないまま入社日を迎え、現場に配属された途端扱いが変わったら、驚くのも無理はありません。

 

Off-JTは、このネガティブなギャップを発生させないよう、採用から現場への橋渡しとしての役割を担ってくれます。実際の仕事量や労働環境にびっくりしないように、徐々に感覚を慣らすために、研修を利用しましょう。

 

 

 

 

●まとめ


いかがでしたでしょうか!?
今回は、社員の成長、特にコロナ禍入社の新卒社員教育に研修(Off-JT)が必要不可欠である理由についてお話ししました!

 

人事の皆様にとって納得感の大きい内容になっていれば嬉しいです。ですが、まだ「役員陣の納得感を引き出して教育予算を増やすには、どう伝えたらいいんだ?!」となっている方もいらっしゃるかと思いますので、アプローチする上で考えておきたいポイントをお伝えして、本コラムを締めたいと思います。

 

以下、参考程度にご覧ください!
あとは研修同様、行動あるのみです!!

 


◇役員に教育予算の増額交渉をする際に人事が考えるべきポイント


①「そもそもなぜ教育予算が出ないのか?」を理解する
会社の売り上げ的にどうしようもない状況なのであれば、まずやるべきは配置転換や人員整理かもしれません。会社の文化が問題なのであれば、人事のマンパワーが試されます。

 

②人事自身が「なぜOff-JTが必要なのか?」を徹底的に理解し、圧倒的な熱量をもって話せる状態になる
経営者は右脳と左脳の両方で考えることが多いので、想いの乗らないロジックだけのプレゼンには心を動かされません。

 

③まずは最小ロットで始めることを前提に提案する
何事も最初が肝心です。特にお金の使い方には細心の注意を払いましょう。
最高のパートナーの力を借りてスモールスタートで立ち上げ、徐々に形にして行くべきです。