早期離職防止に有効な、「今」やるべき内定者フォローとは?
こんにちは。本日は、研修講師とコンサルティングを担当している松岡がコラムを担当させていただきます。
1月も、早くも下旬に差し掛かってきました。
人事担当の方々は20卒採用と19卒内定者の入社準備にお忙しい頃ではないでしょうか。
そこで今回は、『内定者教育』をテーマにお話しさせていただきます。
近年、学生優位に拍車がかかる採用市場の影響で、”内定者への接し方”についてご相談いただく機会が加速的に増えております。
もうすぐ会社の一員になる、でもまだ内定辞退のリスクがある、という微妙な立場の内定者とのコミュニケーションについて、教育的観点からお伝えしていきます。
■採用と教育のジレンマ
ここ数年、採用市場は学生優位の状態が続いております。
就職みらい研究所(株式会社リクルートキャリア)の調べによると、2019年卒学生1人あたりの平均内定獲得社数は2.45社だそうです。
それにともない、採用担当者様の意識が“選考”から“魅力付け”へと傾いてきています。
つまり、優秀な学生一人に対して多くの企業がこぞって内定を出すのはもちろんのことですが、その後の、“入社を促すための魅力付け合戦”が、以前に比べ白熱しているという状況です。
結果、学生を過剰に優遇し、お客様扱いをする採用担当者様が年々増加しているように思います。
もちろん、この状況を否定するつもりは全くありません。
人事の方々は、厳しい状況の中でも会社の成長に必要不可欠な新卒採用の採用数目標の達成に向けてあらゆる施策を考え行動に移していく必要があり、
その多大なる努力の結果、無事に優秀な人材を迎え入れることに成功した方々も多くいらっしゃることと思います。
ただ、必要以上のお客様扱いは、入社後に感じるギャップを増す可能性が高まるというリスクをはらんでいます。
学内において上級生という立場にある学生たちが、就職活動でも企業から優遇されることになると、長らく“従う”立場の環境から離れることになります。
言ってしまえば、縦社会における“下っ端”をしばらくやっていないのです。
そのまま入社を迎えることになれば、立場の変化に上手く対応できず、ギャップの大きさに思い悩んでしまうのもごく自然な流れです。
ですがその姿は、先輩社員からすると「生意気でかわいげのない新人」に見えてしまうのも事実です。
これが近年ささやかれている早期離職問題における、大きな要因の一つではないでしょうか。
採用と教育を兼務する人事担当者様としては、「自社で気持ちよく成長して欲しい」という目的は共通しているとはいえ、
“就職活動生への優しい顔”と“入社前の後輩への厳しい顔”との間でジレンマを大きく感じていることでしょう。
■切り替えはいつから?どうやって?
まさに今のこの時期の関わり方が、ジレンマの解消を果たす上での重要な鍵となります。
徐々に厳しい顔を増やしていく理由として、「年が変わった今が丁度いいタイミングだと思うから」と伝えることができるためです。
これまで“優しい顔”を全面に出してきた人事の方々も、切り替えとして、
以下のように伝えてみることをお勧めします。
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入社後は初めてのことが多く、出来ないことも多いため、先輩に教えてもらうことが多いものです。
環境に慣れ、ある程度1人で動けるようになってきたとはいえ、まだまだ失敗したり怒られたりする機会も沢山あると思います。
ですから、これからはみんなが先輩たちから“気持ちよく教えてもらえる”ようになるために、あえて、挨拶や対応の仕方などについても出来るだけ細かく伝えるようにするので、自分の成長のためだと思って、受け止めて欲しいです。
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その後は、全面の愛と支援をもって、たくさん指摘をしてあげましょう。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
“採用担当者様が努力をし続けた賜物”と言える内定者の方々が、入社後大きく活躍していくという、さらに大きな価値を生み出すための参考となればとても嬉しく思います。
最後までお読みいただき、有難うございました!