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就活生の『リアル』

2569532305_c7206103baこんにちは。株式会社情熱の坂本です。

梅雨の季節になり蒸し暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。

 

この時期になると企業ではクールビズが導入され、ネクタイとジャケットを着用しない方も多いかと思います。

しかしそんな涼しげな恰好を横目に、就活生は冬と変わらずリクルートスーツを着用し、場合によっては冬に購入したスーツで活動を続けているというケースも目にします。

そんな大学生と接する機会が多い私としては、クールビズを導入しても良いものかと葛藤してしまいます。

 

さて、今日はそんな6月に就活を頑張っている大学生のリアルをお伝えできればと思います。

 

▼ 自信の喪失。抜け出せない悪循環。

6月になると企業・学生ともに一段落した頃かと思います。

マイナビさんの発表によると学生の内定率は50%を超えており、昨年よりも割合が増えているそうです。

こうなると学生の間では、これまで「内定を獲得した人=すごい人」だったのが「内定を獲得した人=普通の人」となるわけです。つまり内定を獲得していない学生は「普通以下」という構図が成立します。

もちろん本質的には全くそういう事ではないのですが、当事者がそう感じてしまう気持ちは十分に理解が出来ます。

しかし理解できる反面、普通以下になってしまったという自己否定感が大きな足かせになる事も事実です。

自己否定感を感じてしまった学生は、それが内面だけに止まらず外面にまで露骨に現れます。当然、採用する側としては、全身から自信のなさや不幸感を発している学生を採用したいとは思いません。このように自信喪失がさらに内定を遠ざけるという悪循環を起こしている事は間違いないでしょうが、かなりの割合の学生がこの状況に陥っているのが事実です。

 

▼ さらに悪循環を煽る、トドメの一手。

そしてさらにこの悪循環を促進するものがあります。それが【他者の目】です。

内定を獲得している仲間が「大丈夫かな?頑張ってほしいな。」という心配の目で見るケースが頻発しています。その結果、就活の話題どころか普段のコミュニケーションにすら気を遣いはじめ、内定獲得組と未獲得組とにキッチリ分かれてしまいます。もちろん内定獲得組に悪意はありません。それどころか嫌味になったり、気を遣ってもらわないようにしようという、彼らなりの優しい配慮でもあります。

しかしこの配慮に内定未獲得組は「自分のせいで気を遣わせている」と負い目を感じ、さらに焦りが増幅していきます。この状態に陥ると自分だけの問題だけではなくなり(基本的にそんなわけないのですが…)、就活の本来の目的を見失い迷走が始まります。私個人としては、ここから夏に向けてこのような学生がさらに増加していくのではないかという懸念が拭えません。

 

▼ 迷走を始めた学生が行きつく結論。

迷走を始めた大半の学生が陥る心理状態が「早く就活を終えたい」です。

つまり就活の目的が、自分が幸せな人生を送るためから、今のこの状況から脱することに切り替わります。

基本的にこのようなスタンスではそう簡単に内定は出ませんが、その限りではありません。例えば、面接までいけば普通に内定を獲得できるが倍率の高い大手人気企業ばかりを受けていたため、6月段階で選考の経験がほぼない。

これまで多くのお祈りメールから学び、嘘の精度がきわめて高くなっている。このような一見「なんで今まで内定出なかったんだろう?」という学生が一定数出現します。この一方で、企業側もそろそろ採用を終わらせたいという考えから、採用の基準が若干甘くなりがちです。これが双方を不幸にする大きなリスクを孕んでいると思うのです。

 

▼ 就活・採用を終わらせたいという焦りが生む罠。

この状況は一見して、これまで高望みしていた学生が現実を見たとも捉えられます。

しかしその実態はそう甘くはありません。彼らは「早く就活を辞めたい」という一心で面接に臨んでいるため、内定が出た瞬間に喜びがピークに達します。そのため内定承諾率は極めて高まるのも事実です。このような学生は決して少なくありません。こうして夏休みを満喫し、気が付けば9月末を迎えた彼らはふと気づくのです。

そう、内定式がやってくると。ここでようやく我に返り、本当にこれで良いのかという大きな不安に襲われます。

しかし時すでに遅し。10月を前に内定を手放す勇気はなかなかないものです(そもそもそんな勇気があればこのような事態には陥りません…)。こうして消去法で就職先を決めた学生たちが、早期離職予備軍および、ぶら下がり社員予備軍として誕生するわけです。良かれと思って採用した学生が会社のコスト予備軍になると思うと恐ろしくてなりませんし、本人たちもかなりの割合で苦しい思いをすることになるのです。

 

▼ 不幸な事態を防ぐためには?

前述の通り、この状況はすべてを不幸にする可能性を秘めています。それではどうすれば回避できるのでしょうか。

それは人事担当者の方々のスキルにかかっています。とりあえず内定が欲しい大学生には、共通した大きな特徴があります。そこを見抜いていただければいいのです。その共通点が志望動機を掘り下げたとき「何も出てこない」または「ホームページ、ナビに書いてあることを完コピ」ということです。

彼らはこれまでの経験の中で、定番の質問に対する耐性は相当なものです。しかし彼らは社数など見境なく受験するため、1社あたりの分析時間が著しく少なくなります。こうなると確実に志望動機にほころびが生まれます。このほころびを見つけた際にはぜひとも指摘をしてあげてほしいのです。もちろん採用目標との兼ね合いもある事は理解できます。しかし長い目で見ればすべてが損をする選択を、勇気を持って回避してほしいのです。

この文章で1社でも、1人でも不幸になる人が減れば幸いです。