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同じミスを繰り返す社員の謎を解明!打てば響く社員にするには

 

 

ご無沙汰しております。

入社4年目、管理部の渡邉です!

 

9月に入りましたね。4月から数えるともう少しで半年になります
が、御社の新入社員さんの様子はいかがでしょうか。会社に
なじみ、基本的なことが分かり、一人でできることも増えてきた
ことと思います。

 

 

けれど、そんな頼もしさとともに、このようなもやもやを感じる
ことはありませんか?

 

・指導をした際、「分かりました」と言うものの納得していない顔だった。
・前にも注意したことなのに、また同じことをした。
・タスクの依頼はしっかりこなすのに、社内ルールは抜けがち。

 

かく言う私もこの新入社員の教育時に発生する“暖簾(のれん)に
腕押し現象”にもやもやしていたのですが、毎年4月の研修で他社の
新入社員の方々と関わるうち、ようやく1つの方法にたどり着きま
した。

今回のコラムでは、その解決方法について、原因とともにご紹介
します。

 

 

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指示や注意が新入社員に響かない理由とは


 

 

弊社では、今年も様々な企業の新入社員の方を集めて研修を
おこないました。私も毎年アシスタントとして参加している
のですが、今年は特に受講生の考え方にまとまりを感じました。

 

いくつか挙げると、
●真面目なタイプが多い。言われたことはきちんとやる。
●空気をよく読み、調和を優先する。
●地頭の良さを感じる。考える力が養われている。

といった部分です。

 

 

 

世論的には、以下の傾向が強いことが分かります。

 

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①産労総合研究所『2018年度新入社員のタイプ』
「SNSを駆使するチームパシュートタイプ」
オリンピックで金メダルを獲得した女子チームパシュート。3人が順
序を入れ換えながらリンクを疾走する姿が記憶に残る。今春の新入
社員は、ここ数年続く売り手市場傾向を追い風にスピーディーに就
職活動を終えることができた。ひところの就職「氷」河期とは様変
わりである。とはいうものの、学生にとって就活は学生時代の一大
事業であることに変わりはない。少数の仲間同士でSNSを活用し、
綿密な情報交換で協力関係を構築し、内定というゴールをめざした。
就活は短期決戦だったが、入社すればおよそ40年もの長期戦である。
自分なりのテーマをもって仕事をする努力を怠れば周回遅れも。

引用:産労総合研究所 |2018年度(平成30年度)新入社員のタイプ

 

 

②エン・ジャパン『3Eテスト』

「慎重に空気を読み、出る杭になりたがらない。安定的なキャリア
と私生活重視」
SNS上でのコミュニケーションが主流となり、年代や属性の違う人
と対面で話す機会が希薄な2018年新人世代。気心が知れた仲間内
での交流は得意なものの、相手をよく知り関係性が築けるまで、自
ら進んで発信することは苦手なタイプが多い。出る杭になりたがら
ず、場の空気を慎重に読み、調和を保つことに長けている。

引用:株式会社インフォマート 業界チャネル|適性テストの結果か
ら見る
2018年度新入社員の特徴と育成ポイントー 慎重に空気を読
み、出る杭に
なりたがらない。安定的なキャリアと私生活重視 ー

 

 

③ファーストキャリア『新卒・若手層育成研究所調査レポート』

過去5年のアンケートでは、新入社員の行動特性として、「まじめ
素直」「周囲との関係性を築くことが早い」「集団では出過ぎない」
という「おとなしくて同調性重視」の傾向が多く見受けられました。
2018年度の新入社員を対象にした今年のアンケートでは、「自分の
考えを持ち、積極的で発言力がある」「自分の考えに合致しないこ
とに関しては、時に排他的になる」という「積極的で自分基準重視」
の傾向が加わり、これまでの「おとなしくて同調性重視」の傾向を
持つ新入社員との二極化が進んでいると捉えられます。
引用:PR TIMES|初の“フルゆとり世代“18年新入社員の傾向:「積
極的で活発な社員が
増加」

 

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あくまで私の予想ですが、この傾向こそが、“暖簾に腕押し現象”の
原因なのではないかと考えています。

 

 

 

多くの情報が簡単に手に入る。そのようになってからはしばらく
経ちますが、その真偽について問われ始めたのは最近になって
からのこと。

提示された情報について考え取捨選択をすることを幼いころから
当たり前におこなってきた今の世代は、“信憑性”や“根拠”という
部分に敏感
になっているように思います。

 

なおかつ、学生時代の記憶がまだ色濃く残っている状態であれば、
『“自分が”正しいと思うかどうか』が、取捨選択時の判断基準
なっていてもおかしくはありません。

 

 

 

したがって、他者から言われたことについても、“それをやる、
守る、それに変える理由”が分からない
ものに関しては、あくまで
ごく自然に「言っていることは分かるけれど、[自分には
あてはまらない/そうではないと思う/効率的ではない]」
等と
考え、優先度が下がったり、腹落ちしにくくなったりするのでは
ないでしょうか。

少なくとも、実際に関わった新入社員の方々からは、反抗心や
慢心のようなものは感じられませんでしたので、そういったもの
からくる現象ではないように思います。

 

 

また、場の空気を読み、調和を保つことに神経を張りながら生きて
きた世代なので、目の前の相手の気分を損ねないようにすることを
大切に
します。

そのためひとまず言葉では同意しますが、気持ちがついてきて
いないため、行動がちぐはぐになるのはないでしょうか。

 

 

 

 

 

必要とされていたのは、納得できる ○○


 

 

以上の現状から、新入社員に一度で腹落ちしてもらうためには、
「なぜそれが必要なのか」という『理由』を合わせて伝えることが
有効だと分かります。

 

また、成長志向が強い、自分の軸をしっかりと持っているような
タイプであれば、効率的か?合理的か?負担のバランスは取れて
いるか?等を判断軸にしている人が多いので、
『その人にとってどんなメリットがあるか』を中心に伝えるのが
おすすめです。

 

 

自分目線になりすぎるのはよくないですが、成長を重ねれば自ずと
『会社にとってどんなメリットがあるか』という視点が増えてくる
はずです。

 

学生時代の思考が抜け切っていない上、覚えることが沢山あり
いっぱいいっぱいになっている新入社員に対して初めからベストを
求めてしまうと、キャパオーバーから腹落ちしづらい状況を
招きかねません。

 

したがって、まずファーストステップとして、以下のような
『個人のメリット』を。それによって行動量が増えてきたら
『会社のメリット』を提示して質を上げていくと、教える側の
負担も大きくなりません。

 

 

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《個人のメリット(例)》
・成長できる。知識が増える。
・コミュニケーションが円滑になり業務の進行速度が上がる。
・社内での評価が上がり、給与に反映される。
・効率が上がって残業の必要が無くなり、プライベートに充てる時間が増える。
・ストレスが軽減され自分が楽になれる。楽しく進められる。
・トラブルが起きる可能性が低くなる。

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また、指導をする側の実体験からくるメリットだとさらに響き
やすいようです。

研修の休憩時間に受講生の方とお話しをしている時、実際にこの
ような効果が得られて、結果的に自分に良いことがあったよと
はなしたところ、
『できそう』から、『やってみたい』という考え方にシフトして
もらえた感覚がありました。

 

 

 

 

 

 シンプルだけど有効なもう一つのコツ


 

 

補足ですが、今年の研修を見ていて感じたことがもう一つ
ありました。
それは、『自分の考えを言語化する能力が高い』ことです。

 

SNSやブログ、動画サイト等、自分の考えをまとめて発信する
機会が多かったからでしょうか。公の場での意思表現は少ない
ため周囲からはなかなか見て取れませんが、限られた場所や
人の前であれば、自分の考えを本当に上手に伝えることが
出来る方が多かったのです。

 

ですので、シンプルに本人に直接聞いてしまうのも有効です。
例えば、同じミスを繰り返した社員にその原因を尋ねてみて
ください。
前述したように「事実や根拠、定義等をはっきりさせたい」という
気持ちが強いので、抵抗もなく、素直に答えてくれる人の方が
多いようです。

 

 

 

 

 

 

まとめ


 

 

さて今回は、新入社員教育に関するもやもやを解消する方法に
ついてまとめてみました。

ポイントは、why(理由・根拠・背景・定義等)を相手が納得
できる形で伝えること、特に、その人にとってメリットがあるか
どうかを添えてあげること
でした。

 

 

突然ですがこのコラムはここまででおよそ3,200文字。
日本人の平均読書速度は400~600文字/分と言われているので、
早くても5分少々を割いていただいていることになります。

 

そこまでの時間をかけてくださったのは、冒頭の文章から
「自分のもやもやを解消できるかも」と思っていただけたから
ではないでしょうか。

(そうでありますように…)

 

このように、『メリットがあるかどうか』は、誰かに何かをして
もらいたいときに大変有効です。

 

慣れるまでは少し手間だと感じたり、忙しい中どうしてそこまで
してやらなくてはいけないのか…と思うこともあるかもしれませんが、
新入社員は納得して仕事に励むことができ、教育側は効率が上がる、
お互いにとってメリットがある方法
ですので、ぜひ一度お試し
いただけたら嬉しいです。

 

 

そろそろ6分が経つ頃ですね。まだまだ話は尽きませんが、今回は
この辺で失礼します。情熱の渡邉でした。