教育担当者が語る!【効果があった内定者のフォロー&インターン術】
みなさんこんにちは。入社2年目の山本です。
私が最後にコラムを担当したのは、なんと昨年の8月ということで、
今回は約1年ぶりの更新となります!
この1年の間、実に様々な業務を経験してきましたが、その内の一つに
自社の18卒内定者フォロー&インターンのメイン担当を務める機会が
ありました。
マニュアルに全てまとめられるような業務ではないので、自ら考えて
進めなければいけない場面が多く、とても大変だったのを覚えています。
ニュースサイトを見ても、『内定者が会社に求めるフォローや
インターンとは?』という記事をよく見かけますし、
他社の人事の方とお会いしたときに、「どのように内定者フォローを
実施していますか?」「内定辞退や入社後の離職を減らすために有効な
フォローやインターンなどはありますか」などのご質問を受けることが多く
ありますので、
きっとどのような会社さんでも課題の一つになっているのでは
ないでしょうか?
そこで今回は、
17卒の私自身が内定者だったときに考えていた「インターンではこんなこと
を学びたい!」「こんなフォローもして欲しい!」と感じていたことだったり、
18卒内定者たちからの要望だったりを踏まえつつおこなった、
弊社の18卒フォロー・インターン方法についてご紹介させていただきます!
■内定者が求めるフォローやインターンとは??
内定者だったときの私がインターン時に強く望んだことは
『同期との関わりを深めたい』
『実際にどんな仕事をするのかを詳しく知りたい』
『会社の雰囲気を知りたい』
という3つでした。
内定が決まった学生を対象に調査している記事を見ても、
・内定者フォロー、またはインターンを実施してほしい:7~8割
・同期や社員との人間関係を深めたい:6割~7割
・会社の雰囲気を知りたい/どんな仕事を実際にするのかを深く知りたい:4割~5割
このような結果になっていますので、近年の内定者に共通している考え
であると言って間違いないでしょう。
しかし、教育担当という立場を経験した今、実はこの3つを叶えることは
かなり難しいことだということに気がつきました。
手厚く配慮しないと内定辞退や入社後の離職等が起きるとはいえ、
専任でない限り他業務との兼務は避けられず、十分な時間を確保するのが
難しいという “リソース問題”があるからです。
■フォローやインターンの満足度を上げるためのポイント
内定者のフォローとインターンをおこなう上で、上記で挙げた問題を解決する
必要があると考えた私は、
まず以下の3つの条件を満たす必要があると仮定し、それを踏まえながら
その下に続く計画を立てていきました。
《条件》 【1】少ない時間数でおこなえる、最大限のフォロー・インターン体制であること 【2】内定者が求めているフォロー・インターン体制であること 【3】入社前に会社が求める姿勢が身につき、入社後の離職を防げるフォロー・インターン体制であること |
1.実施の背景の整理・GOALの策定
「なぜフォローやインターンを実施するのか?」を整理して内定者に
明示した上で要望を吸い上げ、双方が納得できるゴールを策定した。
●フォロー実施のゴール
・内定辞退を防止し、3名とも入社する
・会社や仲間を好きだという状態で入社する
・内定者同士の絆が醸成され助け合える存在になっている
●インターン実施のゴール
・○○という業務の基礎が理解できる
・○○という業務を入社後に安心して任せられる
・自社の商品を理解している
2.実施内容の策定
上記のゴールをもとに、実施する内容を策定した。
実際に策定した内容を以下に記載。
① 内定者と社員全員とで飲み会
→未来の同期と社員の様子を知る場として。
② 社員と1対1でのランチ
→社員との関係性を築くことと、会社を知る場として。
その際、内定者から社員へ以下の質問をするようミッションを与えた。
・なぜ入社したのか
・普段どのような仕事をしているのか
・どんな時にやりがいを感じるのか 等
③ 内定者のみでの飲み会又はランチ
→よりお互いを知るための場として。同期同士だけの席を設けることで
自由な会話ができるようにした。
④ 取締役との会社理解&質問の場を設ける
→会社への理解と愛社精神をより深めることができる場として。内定者から、
取締役に質問をする場を設けた。
⑤ 会社の商品を知る場を設ける
→入社後の仕事のイメージをしてもらうため。研修にオブザーブとして
参加したり、営業に同行したりする機会を設けた。
3.実施時間数の策定
入社までの半年をインターン期間として設け、その期間中にゴール達成を
するのに必要な時間数を計算。そこから参加日数を策定した。
記載したのはほんの一部ですが、このように計画を立てたことで
”何をすべきか?”が明確になりました。
こうして道筋を立てることができると、内定者と企業が求めていること
(ゴール)を手に入れる可能性が上がります。
■実際に得られた効果について
最後に、上記の計画を実施したことで得られた効果について、掲げていた条件
の達成状態に変えてご報告します。
《条件》 【1】少ない時間数でおこなえる、最大限のフォロー・インターン体制であること 【2】内定者が求めているフォロー・インターン体制であること 【3】入社前に会社が求める姿勢が身につき、入社後の離職を防げるフォロー・インターン体制であること |
【1】少ない時間数でおこなえる、最大限のフォロー・インターン体制であること
今回、18卒内定者には以下の時間分のインターンを実施しました。
【実施回数】13回
【実施時間】99時間
そして、私のとき(17卒内定者)のインターン時間は、下記の通りでした。
【実施回数】28回
【時間】145時間
よって、条件通り大幅な時間削減を実現することができました。
【2】内定者が求めているフォロー・インターン体制であること
事前に内定者から、”何をしたいのか?”を吸い上げることにより
要望に沿った内容を策定、実施することができました。
弊社の場合ですと、
「実務を経験してみたい。」
「先輩社員と仲良くなりたい。どんな人が働いてるかを知りたい。」
という声が多かったので
●研修アシスタント体験(研修の受講でなく、運営側として参加)
●営業訪問の同行
●先輩社員と1対1でのランチや飲み会
等を実施しました。
その結果、内定者の愛社精神を高めることができたとともに、社員側の
“新しい仲間を迎える準備”も整い、お互いスムーズに馴染むことが
できました。
もちろん、内定承諾後の辞退者と入社後の離職者数は0という結果に
なりました。
【3】入社前に会社が求める姿勢が身につき、入社後の離職を防げるフォロー・インターン体制であること
『会社が求める姿勢』として、
① 弊社の仕事と仲間が好きになっている状態
② ビジネスマナーなどがしっかり身についた状態でスタートダッシュを迎えられる状態
③ 弊社の商品と業務をある程度理解している状態
の3つを定めていました。
① の状態を目指したのは、自らの経験から、内定者同士の絆が何より重要で
あると考えたためです。
『悩みや喜びを一緒に分かち合える関係性』を築くことを目的として、内定者
同士だけの座談会やランチ、ナレッジシェアをおこなう時間を多くとりました。
その結果、営業時に先輩社員から貰ったフィードバックや、教わった業務内容
を、常に新入社員同士でシェアする体制作りができました。
よって、教える側の時間も最小限で済み、全社的に業務の質が上がるという
効果も得ることができました。
もちろん、ナレッジのシェアだけでなく、日々の仕事の悩みなども相談
し合える仲になっているようです。
②③に関しては、以前の平床のコラムにもありましたが
”なぜやるのか?””どうすればできるのか?”をヒモ付けながら会話や
業務をすることで、意図を明確にするクセづけをおこないました。
例えば、
「ビジネスマナーを学ぶのは、『研修会社としてお客様の前に立つ時に
恥ずかしくない姿でいるため』。4月に完璧な姿になるために、
『内定者同士で名刺交換の練習』をしてみよう。」
「○○の業務は、『○○というお客様の課題を解決するため』。そのために、
『今の自分が手伝えることがあるか先輩に聞いて』みよう。」
と考えてもらうように促しました。
その結果、無事に②③の姿勢が身につき、業務においての理解度が高く、
4月のスタートダッシュをしっかりおこなえる形でインターンを終えることが
できました。
■まとめ
今回は、“リソース問題”を解決し、内定者と情熱双方の希望を満たした
フォローおよびインターンの体制について、計画から実施結果までを
ご紹介してきました。
ほんの一部の紹介になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
業界により、企業が内定者に求める姿や、内定者の方が望むことは違う
かもしれません。
しかし、内定者フォローやインターンをおこなう上でもっとも重要なことは、
”何を大切にするか?”を整理し、ポイントとしてまとめ、それに合わせた
GOALを元に進めていくことです。
「何を実施すれば良いか分からない。」「時間を割けない。」等の問題も、
一度上記のような形で整理してみると良い物ができるのではないでしょうか。
長くなりましたが、参考になる内容でしたら嬉しく思います。
最後までお付き合いありがとうございました。