研修用語集 GLOSSARY

内観療法

本来修養法として開発された吉本伊信の内観法を、医療、臨床心理的目的のために応用した心理療法(精神療法)のこと。
1960年代から精神医療現場に導入されるようになった。1978年には日本内観学会が発足している。また、国際的な評価も得られており、2003年には国際内観療法学会も設立され、現在に至っている。

吉本のやり方をほぼそのまま行う“内観原法”と、変化を加えた“内観変法”がある。
また医師などの依頼で民間の研修所で行う場合と、医師が中心となって病棟内で行う場合がある。以下は標準的な研修所で行われている方法である。

母、父、兄弟、自分の身近な人(時には自分の身体の一部)に対しての今までの関わりを、
⑴してもらったこと
⑵して返したこと
⑶迷惑をかけたこと
の3つのテーマにそって繰り返し思い出す。

これにより、自分や他者への理解・信頼が深まり、自己の存在価値・責任を自覚する事によって社会生活の改善につながると考えられる。

また場合によって「嘘と盗み」、「養育費の計算」などのテーマが与えられることがある。特にアルコール依存症患者には「酒代の計算」というテーマが与えられる。自分が一生の間に酒によって失った金額をすべて計算するというものである。あまりの金額に愕然となり、酒を断つものも多い。